ごみ置き場のカギが開かないと大変なことになる

 私が住んでいるマンションは単身用なのでマナーの悪い人が多いらしい。だからマンションのごみ置き場にはカギがかけられていて、収集日のみ管理人さんがカギを開けてくれることになっている。そうでもしないと前の日から生ごみを捨てたり、粗大ごみをそっと置いていってしまう人が続出してしまうそうだ。といっても私は収集日を普段から守っているので、困ることはなかったのだけど、先日ゴミ置き場のカギを巡ってちょっとした騒動が起きた。

 ある朝、出勤するときにゴミを出そうと思ったら、いつもは閑散としているゴミ置き場に、人気ラーメン店の開店前ですか、というくらい人だかりができていた。普段は殆ど他の住人と顔を合わせることがないので、見たことのない人ばかりだったが、唯一顔見知りである隣人に何事かと思って事情を聞いてみると、ゴミ置き場のカギが閉まっていて、ゴミを捨てられずに困っているのだとのことだった。マンションで唯一カギを持っている管理人さんが管理人室にいないので、どうにもできないようだ。誰かがマンションの管理会社に問い合わせると、シフトのミスがあって管理人の到着が遅れるとのことだった。

ゴミ置き場の外にゴミを置いていってしまおうかという話も出たが、上を見上げると電線に止まったカラスがまるで私達が置かれている事情を知っているかのように生ごみを待ちわびているようだったので、それもためらわれた。誰か一人が見張りになってゴミを見張ろうかという話も出たけれど、見る限りそこにいる全員が出勤前という恰好をしているので、誰も進んで見張り役を買って出ようという人もいない。

そんな風にしてうだうだしている間に、ようやく管理人が到着した。「何やってんだよ」とか「早くしろよ」という罵声を浴びながら小さくなってカギを開ける管理人さんを見ながら、ゴミ置き場のカギが開かないと大変なことになるのだなと改めて思った出来事だった。