3人に1人はカギを失くしたことがあると思う

俺が密かにずっと片想いしていたミキちゃんと、サークルで一緒の後藤が、いつの間にか付き合っていた。それを聞かされた時の俺の表情はどんなだっただろうか。驚きに悔しさが混ざっていなかっただろうか。後藤に俺の気持ちがバレなかっただろうか。動揺を悟られまいと必死になった結果、1人になり冷静になれた時には、ロッカーの鍵を紛失していることに気が付いた。朝まではあったのに、どこでなくしたのだろう。カフェテリアで落としたのだろうか。でもカフェテリアには多分まだ後藤たちが居る。今はまだ、戻りたくない。それに、カフェテリアではなく、その前に居た講義室かもしれない。

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講義室に戻りながら、鍵のことを思いだしてみた。ロッカーと一緒に支給された鍵は、軽くて小さく、バッグの中だけじゃなく、ちょっとしたことで見失う代物だ。学生たちの評判もあまり良くなく、俺の勝手な想像だが、学生の3人に1人はカギを失くしたことがあると思う。それと同じで失恋なんて、この歳になれば皆、1度や2度は経験していること。それに俺は、まだミキちゃんに告白もしておらず、たぶん誰にも俺の気持ちは知られていないハズなのだ。失恋と言っても俺の中だけのこと。恰好悪くも恥ずかしくもないのだ。そう自分自身に言い聞かせながら、講義室の自分が座っていたあたりの席を探す。

鍵屋の案内

あった。幸運なことに、鍵はすぐに見つかった。バッグの中で探しやすいようにつけた大きなキーホルダーが、椅子の下に転がっていた。講義室の床はカーペット敷きなので、鍵を落としたことに気が付かなかったのだ。良かった。これで午後の講義の荷物も取り出せる。次の講義まで時間が少ないので、急いでロッカーに戻る。

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間違って隣のロッカーを開けようとして気づき、改めて自分のロッカーを開いた。不要な教材をしまい、午後の講義の教材を取り出す。鍵を閉める。鍵と同じで、きっと他に、自分に合った子が現れる。自分をそう慰めた。